外壁塗装に使われる塗料にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴に違いがあります。
外壁塗装に求める要素や予算などに合わせて塗料を選ぶと満足できる仕上がりになるので、あらかじめ塗料選びのポイントをしっかり押さえておきましょう。
今回は外壁塗装に適した塗料の選び方や、おすすめの塗料について解説します。
目次
外壁塗装に適した塗料の選び方
外壁塗装に使用する塗料を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
塗料の耐用年数をチェックする
塗料の耐用年数とは、外壁塗装の品質や効果を保持できる期間のことです。
塗料には防水性や耐候性、防汚性などが備わっていますが、経年劣化が進むとだんだん性能が低下し、本来の効果を発揮できなくなります。その場合、外壁の塗り替えが必要になるため、耐用年数が長い塗料ほどメンテナンスの手間を省けるというメリットがあります。
塗料の耐用年数はグレードによって大きな差があり、短いものは約5年ほどしか持ちませんが、長いものは20年以上にわたって性能を維持することが可能です。短いスパンで何度も塗り替えするのは面倒という場合は、耐用年数が長めの塗料を選ぶのがおすすめです。
塗料の費用をチェックする
塗料の費用はグレードによって大きな差があります。
最もコストが安いのはアクリル塗料で、1㎡あたりの単価相場は1,000円~1,300円程度です。一方、フッ素系塗料や無機塗料は総じて単価が割高で、フッ素系塗料の1㎡あたりの単価相場は3,000円~4,500円程度、無機塗料は4,000円~5,500円程度とされています。
30坪(外壁面積120~130㎡程度)の一戸建てに外壁塗装したケースを例に見てみましょう。アクリル塗料の場合は12万円~16万9,000円、フッ素塗料の場合は36万円~58万5,000円、無機塗料の場合は48万円~71万5,000円となり、大きな価格差が生じます。
ただ、フッ素塗料や無機塗料は単価が高いぶん、前述した耐用年数が15~20年と長い傾向にあります。逆にアクリル塗料の耐用年数は約3~5年と短いため、フッ素塗料や無機塗料の劣化が始まるまでに、2~4回の塗り替えを行わなければなりません。
外壁塗装の費用は塗料代だけでなく、都度足場代や人件費が掛かるので、単価のみを重視して塗料を選ぶと長い目で見たときのトータルコストがかさむ可能性があります。そのため、塗料を選ぶ際は1回あたりの塗装費用だけでなく、今後のコストパフォーマンスも考慮することを意識しましょう。
水性か油性かをチェックする
外壁塗料の種類は、グレード以外に水性と油性の2つに区分されます。
塗料はアクリル・ウレタンなどの合成樹脂と、色の元になる顔料、品質を安定させるための添加剤の3つで構成されていますが、このままでは塗装に使えないため、作業直前に希釈剤を混ぜる必要があります。この希釈剤に水を使うのが水性塗料、シンナーなどの溶剤を使用するのが油性塗料です。
水性塗料は、臭いが少ない、保管が容易で扱いやすい、比較的安価といった利点があります。ただ、油性塗料に比べると乾燥に時間が掛かる点や、金属素材と相性があまり良くないという点がネックです。
一方の油性塗料は、水性塗料に比べて耐久性が高いこと、乾燥時間が短いので工期を短縮できること、防水性や防汚性に長けていること、金属素材でも塗装しやすいことなどが利点です。しかし、溶剤の臭いが強く、日常生活に少なからず影響を及ぼすという欠点があります。
ただ臭いが気になるというだけでなく、吸い込むと体調を崩す原因になるため、住んでいる人はもちろん、近隣住民への配慮も必要です。また、溶剤は引火性が高いため、保存や管理に気を遣わなければならないことや、水性塗料に比べると単価が割高である点もデメリットとして挙げられます。
現在の外壁塗装には水性塗料を用いられるケースがほとんどですが、上記のように水性塗料と油性塗料にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、油性塗料に魅力があると感じたら業者に相談してみましょう。
色をチェックする
外壁塗料のカラーバリエーションは非常に豊富なので、適切な塗料を選べばイメージ通りの外観に仕上げることができます。ただ、外壁塗料の色は好きなものを選べば良いというわけではなく、近隣の家や周辺の景観にマッチするかどうかを考慮しなければなりません。
また、塗料の色を選ぶときは色見本を参考にしますが、室内で見る小さな色見本と、実際に住宅に塗ったときの色では、イメージががらりと変わることもあります。
そのため、イメージに近い色を見つけたら、太陽光の下で朝・昼・夜の三回チェックしたり、専用のソフトを使ってカラーシミュレーションを行ったりして、実物に近い色合いの再現に努めましょう。
業者によっては試し塗りに対応しているところもあるので、色選びの際に相談してみましょう。
外壁塗装におすすめの塗料6選
外壁塗装に適したおすすめの塗料を、グレードや色などを基に6つピックアップしてご紹介します。
シリコン塗料
シリコン塗料とは、シリコン系やアクリルシリコン系の合成樹脂を主成分とした塗料のことです。
防汚性や耐久性が高く、塗膜が劣化しにくい点や、汚れが付着しにくいところが大きな特徴です。また、仕上がりの光沢が美しく、塗り替えによって新築さながらの外観を取り戻すことができます。
耐用年数も10~15年とアクリル塗料やウレタン塗料より長く、かつ後述するフッ素塗料や無機塗料に比べると1㎡あたりの単価が2,500円~3,500円と手頃な価格であることから、耐久性とコストのバランスが取れた人気の塗料となっています。
需要が高いぶん、カラーバリエーションも豊富で、イメージ通りの外観を実現しやすいところもシリコン塗料の魅力です。
フッ素塗料
フッ素塗料とは、蛍石を原材料として使用したフッ素樹脂配合の塗料です。耐用年数が非常に長く、清掃など適切なお手入れを行えば、15~20年程度品質を維持することができます。
フッ素塗料の単価は1㎡あたり3,000円~4,500円とやや高めです。しかし耐用年数が長いぶん塗り替えの頻度が少ないので、長い目で見ればコストパフォーマンスの高い塗料となっています。
また、耐候性や防藻性、防カビ性などに長けているところも特徴で、紫外線による劣化や雨垂れなどの汚れ、藻やカビの発生防止など、さまざまなトラブルリスクを低減できます。
さらに耐摩耗性にも優れているため、光沢が長持ちしやすく、美しい外観をキープできるところが利点です。
無機塗料
無機塗料とは、セラミックやケイ素といった無機物を主成分とした塗料のことです。
アクリルやウレタン、シリコンなどの有機物を主成分とした有機塗料に比べると耐候性が高く、外壁塗装の劣化の原因である紫外線の影響を受けにくいという利点があります。
また、カビや苔のエサになる有機物が含まれていないぶん、外壁にカビ・苔が生えにくく、きれいな外観を維持しやすいとされています。
さらに、炭素を含まない無機成分で構成された無機塗料は不燃性が高く、隣家からのもらい火による被害を軽減できるところも特徴です。
有機塗料と比較すると1㎡あたりの単価が4,000円~5,500円と割高で、塗装の際の費用がかさむところがネックですが、耐用年数が15~20年と長いので、フッ素塗料と同じくコストパフォーマンスの良い塗料とされています。
遮熱塗料
遮熱塗料とは、外壁に塗布することで建物内部への熱量の侵入を低減できる特殊な塗料のことです。
遮熱塗料を使用すれば、夏場の室内の温度上昇を抑えることができ、熱中症対策に役立ちます。また、外気の影響を受けにくくなるぶん、冷房効率も高くなるため、省エネ効果も期待できるところが利点です。
ただ、特殊な塗料であるぶん、他の一般的な塗料に比べると製品やカラーのバリエーションが少なく、また取り扱っていない業者もいます。
そのため、外壁塗装に遮熱塗料を使用したい場合は、業者に取扱の有無やカラーバリエーションについて相談した方がよいでしょう。
汚れが目立ちにくい色の塗料
ブラウンやグレー、ブラック、ベージュといったベーシックで落ち着いた色の塗料は、汚れが目立ちにくく、美観を維持しやすいという特徴があります。
どの色を選ぶかは汚れの種類によって異なり、例えばカビや苔を目立たなくしたいのならブラウンやブラックといった濃いめの色を。土ボコリが気になる場合はベージュやグレー系の色をそれぞれ選ぶのがおすすめです。
ただ、汚れが目立たないからといって清掃などのメンテナンスを怠ると、外壁の寿命が縮む原因となるので注意が必要です。
退色しにくい色の塗料
外壁の色味を長持ちさせたいのなら、紫外線を反射する白顔料(酸化チタン)が含まれているクリーム系やベージュ系、ブルー系の塗料を選ぶのがおすすめです。
また、紫外線に強いカーボンブラックが使われているブラック系の塗料も退色に強く、深みのある色合いをキープすることができます。
以上、外壁塗装におすすめの塗料をいくつか紹介しましたが、適切な塗料を選んでも、肝心の施工の仕方に問題があると、イメージ通りの仕上がりにならない可能性があります。場合によっては塗料本来の効果が低減する原因にもなるので、信頼できる業者に依頼することが大切です。
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