外壁塗装の剥がれを放置するのはNG?リスクを徹底解説

外壁塗装の剥がれを放置するのはNG?リスクを徹底解説

外壁は経年劣化するので、長い年月が経過するとだんだん塗装が剥がれてきます。
外壁の塗り直しにはそれなりの費用が掛かるので、ついそのままにしてしまう方も多いのですが、外壁塗装の剥がれを放置するとさまざまなリスクがあるので要注意です。
本記事では外壁塗装の剥がれが起こる原因や、剥がれを放置するリスク、剥がれを発見したときの対応方法を解説します。

 

なぜ外壁塗装の剥がれが発生するの?

外壁塗装の剥がれが発生する原因は大きく分けて8つあります。

経年劣化

特に多いケースは建物の経年劣化による剥がれです。

外壁塗装の寿命は使用した塗料の種類などによって異なりますが、一般的に新築から10年が経過すると劣化が目立つようになると言われています。特に耐用年数が短い塗料(アクリル塗料など)を使った場合、劣化のスピードも速く、短期間で剥がれの症状が出てくることもあります。

洗浄の不足

外壁塗装を行う際は、まず外壁の表面を洗浄することからスタートします。洗浄が不十分だと、壁面にホコリやゴミ、苔、藻などが付着し、塗料が十分に密着しないおそれがあるからです。

また、洗浄後は2日間ほど掛けて壁面を乾燥させる必要がありますが、乾燥が不十分なまま次の工程に進んでしまうと、塗料が付きにくくなって塗装が剥がれる原因となります。

下地処理の不足

下地処理とは、外壁塗装の仕上がりを良くするために行う作業の総称です。具体的には、ひび割れの補修やサビの除去、古い塗膜の除去などが含まれます。また、壁面にわざと傷を付けて凹凸にする「目荒らし」という処理も行われるでしょう。

これらの下地処理をしっかり実施することで、塗料の密着性が高まり、外壁塗装が長持ちするようになります。一方、下地処理を怠ってしまうと、塗料がうまく付着しません。その結果、短期間で塗装が剥がれてしまう原因となってしまいます。

下塗り材が外壁材に合っていない

下塗り材は、外壁の表面を平滑にするために用いられる下地調整材の上に塗布する塗料のことを指します。

外壁塗装では、下塗り、中塗り、上塗りの三回塗りが基本とされています。この中で下塗り材には、中塗り塗料と上塗り塗料の密着性を高める役割があるのです。下塗り材には、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系など複数の種類があります。それぞれ特徴が異なり、中塗り塗料や上塗り塗料との相性にも差が見られます。

中塗り塗料や上塗り塗料と相性の良くない下塗り材を使用すると、塗料の密着性が低下してしまいます。その結果、下塗り材が本来の役割を果たせなくなるおそれがあり、外壁塗装の早期剥離につながる原因となってしまうのです。

塗料の希釈・配分が不適切

外壁塗装に用いる塗料は原液のまま使うのではなく、水やシンナーなどの希釈材を混ぜ、薄めてから使用するのが基本です。希釈率は使用する塗料ごとに決められており、塗料に合った配分・希釈を行わないと塗料本来の効果を発揮できず、早期に剥がれが起こる原因となります。

塗料の硬化不良

外壁塗装で使用される塗料は、主剤のみの1液型と、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる2液型の2種類に分類できます。

2液型は1液型と比べて耐久性が高く、色持ちが良いという利点があります。しかし、硬化剤を規定量より多くまたは少なく配合すると、硬化不良が発生する可能性があるのです。

このような硬化不良が起きた場合、短期間で塗膜が剥がれるリスクが高くなると言われています。

工程間隔が長い

三回塗りの場合、下塗り後と中塗り後にそれぞれ塗料の乾燥期間を設ける必要があります。塗料はしっかり乾かすことが大切ですが、必要以上に間隔を空けてしまうと問題が生じる可能性があるのです。壁面にゴミやほこりなどが付着し、中塗り塗料あるいは上塗り塗料の密着性が低下してしまうかもしれません。

適切な工程間隔は、使用した塗料の種類や環境(湿度・温度等)によって異なります。しかし、一般的には長くても1週間以内に重ね塗りすることが推奨されています。そのため、工程間隔が1週間以上空かないよう注意することが大切です。

直張り工法を採用している

直張り工法とは、壁の下地材(構造用合板)に防水シートを貼り付け、その上から外壁材を直接張り付けていく工法のことです。かつて主流だった工法ですが、防水シートの通気性が低いことと、防水シートと外壁材の間に水分の逃げ道がないことから、何らかの理由で雨水が外壁内部に侵入した場合、結露によって塗装が剥がれる原因となります。

そのため、近年は直張り工法を採用するケースはほとんどありませんが、2000年以前は多用されていた工法であるため、それ以前に新築あるいは塗り替えを行った場合は注意が必要です。

外壁塗装の剥がれを放置するリスク

外壁が剥がれ雨漏りをしている住宅

外壁塗装の剥がれをそのまま放置すると、以下のようなリスクが懸念されます。

雨漏りのリスク

外壁塗装には、建物内部への雨水の浸入を防ぐ重要な役割があります。このため、外壁塗装が剥がれてしまうと、雨水が建物内部に入り込みやすくなってしまいます。その結果、室内で雨漏りが起こる可能性が高まるのです。

雨漏りが発生すると、さまざまな問題が生じます。まず、天井や床、壁といった建物の内部が濡れてしまいます。加えて、家財などの所有物も水に濡れる恐れがあります。さらに、室内の湿度が上昇することで、カビが繁殖しやすい環境が作られてしまうでしょう。

建物の寿命が短くなる

建物内部に雨水が浸入すると、内部結露によって建物を支える骨組み(基礎や柱、梁、壁面、床など)が腐食しやすくなります。さらに、高温多湿の環境下ではシロアリが発生しやすくなり、構造体を食い荒らされることもあるでしょう。

その結果、構造体が劣化・損傷すると、建物の耐久性自体が低くなり、地震などの災害による倒壊リスクが高くなることが懸念されます。

外観が悪くなる

外壁塗装の剥がれは、たとえ一カ所でもかなり目立つため、放置すると家の外観が悪くなってしまいます。

特に経年劣化の場合、剥がれと共に色あせやチョーキングなどの現象が発生している可能性が高いため、外観の著しい悪化につながります。

資産価値の低下

外壁塗装の剥がれは、雨漏りや建物の耐久性の低下、外観の悪化などさまざまなリスクをはらんでいるため、建物自体の資産価値も大幅に低下してしまいます。

すると、売却時の査定額も低下し、希望の価格で売れなくなる可能性があります。

外壁塗装の剥がれを発見したときの対応方法

塗膜剥離した住宅の壁

外壁塗装の剥がれを発見したときの対応方法を4つご紹介します。

シートで養生する

屋根に近い部分の外壁塗装が剥がれており、かつ剥がれが広範囲にわたっている場合は、養生シートやビニールシートなどでカバーしましょう。外壁の場合、屋根と違って重しでシートを固定することができないので、木材などを下地にして釘で仮留めするのが一般的です。

養生シートやブルーシートはホームセンターなどで販売されているので入手しやすく、かつコストもそれほど掛からないところが利点です。

防水テープで養生する

外壁塗装の剥がれが一部のみの場合は、防水テープを貼り付けることで雨水の浸入を防ぐことができます。防水テープは手軽に養生できる上、密着性も高いところが特徴ですが、根本的な問題が解決したわけではないので、テープを貼ったからといって剥がれを放置してよいことにはなりません。

防水テープによる養生はあくまで応急処置なので、なるべく早めに業者に補修を依頼することが大切です。

DIYで外壁塗装する

塗料や道具があれば、剥がれた部分をDIYで塗装し直すという方法もあります。

具体的なやり方としては、まずスクレーパーやワイヤーブラシ、皮すきなどの道具を使って古い外壁塗装を剥がしましょう。塗装を剥がしたら、ブラシやスポンジなどを使ってきれいに洗浄します。コーキングも剥がれている場合は、同様の手順で古いコーキングも除去・洗浄します。

次に、マスキングテープで周囲を養生し、下地材であるプライマーを塗りましょう。

プライマーが乾燥したら、中塗り→上塗りの順で3回塗りを行います。コーキング剤の場合は、コーキングガンを使ってコーキング剤を充填し、へらを使って平らにならします。

あとは外壁塗料とコーキング剤をしっかり乾かせば作業終了です。

ただ、外壁塗装やコーキング剤の充填をDIYで行う場合、塗料やプライマー、コーキング剤、コーキングガンなどの道具をすべて揃えなければなりません。

また、古い塗料やコーキング剤の除去、洗浄、プライマーの乾燥などの工程が不十分だと、塗料やコーキング剤がしっかり付着せず、再び剥がれてしまう原因となります。そのため、作業に自信がない場合は最初から業者に任せた方がよいでしょう。

リフォーム業者に補修や塗り替えを依頼する

外壁塗装が剥がれたら、応急処置を施した上で、リフォーム業者に対応を依頼するのがおすすめです。

リフォーム業者なら、外壁塗装の下地補修から塗り替えまですべての作業を行ってもらえるので、自分で手間暇かけて作業する必要はありません。自宅の外壁材にはどのような塗料が適しているのかも熟知しているので、安心して施工を任せられるでしょう。

ただ、技術や実績のないリフォーム業者に依頼すると、施工不良による剥がれが起こる可能性があるので、信頼できる業者に依頼することが大切です。
 

千葉県で唯一の住宅専門の生協であるちば住宅コープでは、リフォーム工事に対して知識のない人や、適切な施工方法を知らない人でも安心してリフォームや外壁塗装を任せられる仕組みをとっています。

リフォーム業者が提示する価格が適正かどうか、また適切な工事プランが提案されているか、などを事務局が常にチェックし、安心・安全な施工業者による外壁塗装を実現します。

なお、外壁塗装以外にも、一緒に行った方がよいとされる屋根塗装や、その他リフォーム工事にも対応可能です。「住宅の外壁が剥がれてきたけど、どの会社に補修や塗り替えを依頼すればいいかわからない」といったお悩みがある方は、ぜひちば住宅コープまでご相談ください。

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