外壁洗浄の方法や注意点をわかりやすく解説

外壁洗浄の方法や注意点をわかりやすく解説

家の外壁は常に雨やホコリ、排気ガスなどにさらされているため、放っておくと汚れが付着してしまいます。外壁の汚れをそのまま放置しているとさまざまなリスクが生じるので、定期的に洗浄し、きれいな状態をキープすることが大切です。

今回は外壁を洗浄する必要性や、自分で外壁洗浄する方法と注意点についてわかりやすく解説します。

 

外壁を洗浄する必要はある?

結論から言うと、家の外壁は定期的に洗浄するのが理想です。なぜ洗浄が必要なのか、その理由は大きく分けて4つあります。

美観を保てる

外壁の洗浄を怠ると、ホコリや排気ガス、雨水に含まれる炭酸ガスなどが付着する雨垂れや、苔による汚れがこびりつきやすくなります。雨垂れ汚れや苔を放置していると、美観を著しく損ねるおそれがあります。

外壁を定期的に洗浄しておけば、外壁本来の色やツヤをきれいに保つことができ、新築時の美しさを長持ちさせることが可能です。

防水効果が長持ちする

外壁に用いられる塗料には防水効果が備わっており、雨水の浸入防止に役立っています。しかし、外壁の表面が汚れていると防水効果が弱まり、家全体の保護機能も低下してしまうおそれがあります。

塗料の効果を長持ちさせ、防水性や耐水性を維持するためには、定期的な外壁の洗浄が必要です。

外壁の耐久性が高まる

外壁の汚れを長らく放置していると、塗料や建材の劣化が早まる可能性があります。外壁が劣化すると、白い粉を吹くチョーキングという現象が起こりやすくなるほか、退色やカビ、クラック(ヒビ)の発生などのトラブルが生じるリスクが高くなります。

こまめに外壁をメンテナンスしておけば、外壁の耐久性が向上し、塗料や建材の寿命を延ばすことが可能です。

お手入れが楽になる

外壁に付着した汚れは、時間が経過するほど頑固になり、落とすのに時間と手間がかかりやすくなります。定期的に外壁を洗浄していれば、一回あたりのお手入れにかかる手間と時間が少なくなり、負担の低減につながります。

外壁の汚れの種類

外壁に付着する汚れは複数あり、それぞれ特徴が異なります。ここでは外壁の汚れの主な種類を5つご紹介します。

雨垂れ汚れ

雨垂れ汚れとは、屋根や外壁、窓のサッシなどに付いたホコリや排気ガスが雨に流されることによって発生する汚れのことです。

上から下にかけて黒っぽい線のような汚れが付着するのが特徴で、広範囲にわたると煤のように見えることもあります。

カビ

自然に存在するカビ菌が繁殖すると、外壁に黒や緑色のカビ汚れが目立つようになります。カビ菌は高温多湿を好むため、同じ家の外壁でも日が当たりにくい方に広がりやすい傾向にあります。

カビ菌は繁殖力が強く、放置しているとどんどん汚れが悪化するので、早めに洗浄することが大切です。

湿気の多い場所では苔が生えやすく、地面で繁殖した苔の胞子が外壁に付着すると、苔が外壁にまで広がる場合があります。カビ菌と同じく、苔は繁殖力が高いため、放っておくとどんどん範囲を広げて外壁が緑色になってしまうおそれがあります。

特に日が当たらない場所や、川などが近くにある家では苔の繁殖に要注意です。

サビ

金属サイディングの場合、時間が経過すると金属部分が腐食してサビが発生することがあります。また、窓のサッシなどで発生したサビが雨に流されて外壁に付着することもあります。

チョーキング

チョーキングとは、塗膜の劣化によって外壁に白い粉のようなものが付着する状態のことです。チョーキング自体は高圧洗浄で落とすことができますが、外壁の劣化自体は改善できないため、塗り替えを検討する必要があります。

自分で外壁を洗浄する方法

ゴム手袋をして凹凸のある外壁を洗浄するブラシを持った手

自分で外壁を洗浄する際の方法と、必要な掃除道具を紹介します。

外壁洗浄に必要な道具

自分で外壁洗浄を行う際に揃えておきたい道具は以下4つです。

  1. スポンジ
  2. 毛の柔らかいブラシ
  3. 外壁用の洗剤
  4. 散水ホースまたは高圧洗浄機
  5. 脚立

(1)のスポンジは、平らな部分を洗浄するのに適しています。外壁は面積が大きいので、スポンジはなるべく大きいサイズのものを選ぶと使い勝手が良いでしょう。なお、高いところを擦りたいときは、柄付きのスポンジやハンディモップなどを用意すると便利です。

(2)のブラシは、モルタルのような凹凸のある外壁や、外壁の隙間などを洗浄するのに適したアイテムです。ただ、毛が硬いブラシを選ぶと外壁に傷が付いてしまう可能性があるので、柔らかいものを選ぶとよいでしょう。
また、スポンジ同様、高いところを洗浄するときは柄付きのブラシを使うのが便利です。伸縮するタイプのブラシを使えば、少し離れたところから手元まで、広範囲を洗浄しやすくなります。

(3)の外壁用洗剤は、水洗いだけで汚れが落ちない場合に使用します。洗剤にはさまざまな種類がありますが、必ず外壁専用のものを使用しましょう。それ以外の洗剤を使用すると外壁を傷める原因になるので要注意です。
なお、カビや苔汚れは一般的な外壁用洗剤ではなかなか落とせないので、カビ・苔に対応した屋外用洗剤を使用します。

(4)の散水ホースまたは高圧洗浄機は、外壁の汚れを洗い流すのに使用します。
散水ホースを利用する場合は、専用のアタッチメントを使用すると、水の勢いや出方を調節したり、手元でオンオフの切り替えができるので便利です。
なお、自分で外壁をこまめに洗浄したい場合は、高圧洗浄機の購入を検討するのも一つの方法です。高圧洗浄機は散水ホースよりも強い圧力で水を散水できるため、簡単な汚れなら水を掛けるだけで洗い落とすことができます。
ただ、使用上の注意もいくつかあるため、メリット・デメリットの両方を理解してから検討することが大切です。高圧洗浄機の注意点については後述します。

(5)の脚立は、手が届きにくい高所の外壁を掃除する際に使用します。

外壁の洗浄方法

外壁の洗浄方法を3つのステップに分けて解説します。

外壁に水を掛ける

まず、散水ホースや高圧洗浄機を使って外壁全体に水を掛けます。高圧洗浄機の場合、軽い汚れならこれだけで落とすことが可能です。

ブラシ・スポンジで擦り洗いする

ブラシやスポンジを使って、外壁を擦り洗いしていきます。水洗いだけで汚れが落ちない場合は、外壁用洗剤をスポンジやブラシに適量付けてから洗浄しましょう。
柔らかいスポンジやブラシなら外壁材を傷つける心配はありませんが、目地のコーキング部分はデリケートなので、擦らずに表面を優しく撫でるように洗いましょう。

汚れと洗剤を水洗いする

最後に、散水ホースまたは高圧洗浄機で外壁の汚れと洗剤を洗い流します。

外壁を洗浄するときの注意点

外壁を洗浄する際に注意したいポイントを4つご紹介します。

事故に注意

自分で外壁洗浄を行う際、特に注意したいのは転落などの事故です。2階以上の住宅はもちろん、たとえ平屋であっても外壁は屋根の近くまであるので、地面に立ったままでは隅々まで手が届きません。

そのため、高所の外壁洗浄は脚立を使用するか、屋根に上がって作業をすることになりますが、いずれの場合も足元が不安定になるため、転落などの危険性があります。

特に高所での作業に慣れていない方は事故を起こすリスクが高くなりますので、安全のためにもプロの業者に外壁洗浄を依頼することをおすすめします。

水の飛散に注意

散水ホースや高圧洗浄機を使って水を勢いよく噴射すると、周辺に水が飛散します。換気扇の外部換気口や窓が開いていると、跳ねた水が室内に入り込んでしまう可能性があるので、外壁洗浄する際は必ず換気扇の外部換気口や窓をしっかり閉じておくようにしましょう。

また、住宅密集地で外壁洗浄をする場合は、隣近所の家の敷地内まで水が飛散するおそれがあります。場合によっては思わぬトラブルに発展する可能性もあるので、あらかじめ近隣の方に外壁洗浄する旨を伝え、窓などを閉めるようお願いしておくと安心です。

近隣トラブルに不安を感じる場合は、水の飛散対策もしっかり行ってくれる業者に依頼した方がよいでしょう。

音に注意

高圧洗浄機の動力は複数ありますが、中でもガソリンエンジン式とユニバーサルモーター式のものは稼働時にかなり大きな音が出ます。住宅街で高圧洗浄機を使用する場合、近隣から騒音で苦情が寄せられる可能性もあるため、水の飛散同様、あらかじめ外壁洗浄を行うことを周辺の方に知らせておいた方が無難です。

なお、インダクションモーター式の高圧洗浄機を使えばある程度音を抑えることができますが、電気の周波数に合わせて設計されている関係上、お住まいの地域に対応したもの(50Hzか60Hz)を選ぶ必要があります。

コーキングの損傷に注意

コーキングとは、外壁材同士の隙間を埋めるために充填剤を注入することです。外壁の目地の部分にコーキングを施すことによって、雨水などの浸入を防ぎつつ、地震の揺れによる建材同士の衝突も緩和することが可能となっています。

ただ、コーキングは柔軟性や弾性に長けているぶん、摩擦に弱く、強い力を入れて擦ると表面が傷んでしまうことがあります。コーキングの劣化が進むと、雨漏りや外壁の耐震性の低下などを引き起こす原因となるため、外壁洗浄の際はコーキングに余計な摩擦や圧力を掛けないよう注意しましょう。

特に高圧洗浄機を使う場合は、あらかじめマスキングテープなどを使って目地の部分を養生しておいた方が安心です。

 

以上、外壁洗浄を自分で行う場合の注意点を紹介しましたが、安全性や手間を考えると、外壁のセルフクリーニングはあまりおすすめできません。手の届く範囲内をきれいにしたいときは自分でお手入れしても問題ありませんが、高所を洗浄したいときは無理をせず、プロの業者にメンテナンスをお願いした方がよいでしょう。

なお、業者に外壁洗浄を依頼する際は、塗装も一緒に検討するのがおすすめです。外壁塗装は外壁洗浄とセットで行われるため、二度手間を防げるほか、一度に作業した方が足場代の節約にもなります。

 

千葉県の住宅専門生協であるちば住宅コープでは、コープ組合員の方向けに外壁塗装サービスを提供しています。塗装時は外壁洗浄はもちろん、外壁に付いた傷の修復なども実施するため、外壁全体の状態を改善することが可能です。

また、ちば住宅コープでは外壁塗装と同時に検討することが推奨されている屋根塗装や、各種リフォームにも対応しています。外壁の汚れが気になる方や、外壁を含む住宅の劣化に悩んでいる方は、ぜひちば住宅コープまでお気軽にご相談ください。

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