外壁は約10年ごとに再塗装する必要があります。外壁塗装は坪数や塗料によって費用が大きく異なるため、安いのか高いのかを判断するのはなかなか難しいです。それをいいことに不当に高い金額を請求されるというケースも少なくありません。
この記事では外壁塗装の平均費用相場や見積もりに記載された金額が妥当なものであるかを見極める方法、外壁塗装業者を選ぶ際に気をつけるべきポイントについてご紹介します。
外壁塗装の平均費用相場はいくら?
信頼できる外壁塗装業者を選ぶためには、まず平均費用相場を知っておくことが大切です。とはいえ、冒頭のとおり外壁塗装は坪数や塗料によって大きく費用が異なるため、一概に「●●円かかる」とは言いにくいのが実情です。そのため、不当に費用を上乗せされていてもなかなか気づきにくいです。
とはいえ、坪数ごと、あるいは塗料ごとである程度の相場はあります。ぼったくりに遭わないためにも、まずは相場感を掴んでおきましょう。
外壁塗装の平均相場
外壁塗装の平均的な費用相場は80万~120万円です。一般的な一戸建てであれば、概ねこれくらいの金額で収まるケースが多いです。ただし、塗装面積が広い、高額な塗料を使う、外壁の補修が必要となったなどの理由で、これ以上の価格になることも当然ながらあり得ます。
80万~120万円というのはあくまでざっくりとした相場であり、やはり坪数や塗料の種類で相場を押さえておくことが大切です。
外壁塗装の坪数ごとの費用相場
外壁塗装は坪数が多ければ多いほど、費用もそれに比例して高くなります。坪数が大きいということは、それだけ塗装面積も広くなり、多くの塗料と手間が必要となるためです。以下で延べ坪数ごとに塗装面積と費用相場をまとめました。
延坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|
20坪 | 79㎡ | 約40万円~60万円 |
25坪 | 100㎡ | 約55万円~95万円 |
30坪 | 119㎡ | 約60万円~100万円 |
35坪 | 139㎡ | 約70万円~115万円 |
40坪 | 158㎡ | 約80万円~130万円 |
45坪 | 180㎡ | 約85万円~135万円 |
50坪 | 198㎡ | 約100万円~150万円 |
60坪 | 238㎡ | 約110万円~190万円 |
70坪 | 277㎡ | 約140万円~220万円 |
80坪 | 317㎡ | 約210万円~240万円 |
20坪、30坪であれば先ほどご紹介した外壁塗装の平均相場である80万~120万円よりも安く抑えられる可能性もあります。一方、70坪、80坪のような広大な住宅だと、とても平均の範囲で抑えるのは難しいでしょう。
また、同じ坪数であっても一軒一軒外壁の劣化度合いやライフスタイルなどによって必要となる工事も違ってくるため、20~30万円の開きが出てくるのです。
この表からも、外壁塗装の費用はケースバイケースであり、相場を算出する難しさがわかります。
塗装代
外壁塗装の費用を左右する大きな要素として塗料代が挙げられます。外壁塗装の塗料代はグレードによって大きく異なります。以下にグレードごとの耐久年数と単価の目安をまとめました。
グレード | 耐久年数 | 単価目安(/㎡) |
---|---|---|
アクリル | 5年~8年 | 1,000円~1,800円 |
ウレタン | 7年~10年 | 1,800円~2,500円 |
シリコン | 10年~13年 | 2,500円~3,500円 |
ラジカル | 12年~15年 | 2,500円~4,500円 |
フッ素 | 13年~15年 | 3,500円~5,000円 |
無機 | 15年~20年 | 4,000円~5,500円 |
基本的に単価が高いものほど耐久年数も長いです。それ故、安い塗料を使えば必ずしも外壁塗装のコストが抑えられるとは限りません。たとえばアクリル塗料を5年ごとに塗装するよりも、上位グレードの塗料を使って塗装回数を10~12年ごとに抑えたほうが、トータルでコストダウンにつながる可能性があるのです。価格以外にも耐久年数を考慮して塗料を選びましょう。なお、もっとも普及しているのはシリコン塗料です。価格も耐久年数も中間くらいで、コストと耐久年数のバランスがいい塗料といえます。
外壁塗装の費用は坪数と塗料によって大きく左右されますが、これ以外にも築年数や施工時期によっても大きく異なります。こうした要素が絡み合って、最終的にいくらかかるのかが決まるのです。
ここからは築年数や施工時期が外壁塗装の費用にどのような影響を与えるかについて見ていきましょう。
築年数
住宅を新築した場合と、ある程度経過した場合とでは外壁塗装をすべき周期についても異なります。新築の場合はまず8~12年後に点検と再塗装が必要となります。その後は10~15年ごとに塗装をしていきます。
なお、前述のとおり使用している塗料で再塗装のサイクルが変わってきますので、前回いつ塗装したか?どの塗料を使用したのか?その塗料はどれくらい持つのか?を把握しておきましょう。また、費用がかかるからといって外壁塗装を先延ばしにしていると、外壁の劣化が進んでかえって修繕費などの余分な費用がかかるおそれもあります。
施工時期
外壁塗装は依頼する時期によっても費用が変動します。外壁塗装に適している時期は気温や湿度が安定していて晴れの日が多い春と秋です。そのため、春と秋は施工の依頼が集中して費用が割高になるケースがあります。
一方、雨が多い夏場や雪が降る冬はどうしても天候の影響で作業ができない日が多くなるため、依頼が少なくなりがちです。工期は長くなりますが、春と秋と比較すると安価で外壁塗装を依頼できる可能性もあります。
この金額は妥当?金額が不当ではないかの見極め方
以上のように坪数や塗料ごとの費用目安はあるものの、それ以外の要素も絡んでくるため、やはり業者が提示してきた外壁塗装の金額が妥当であるかどうかを判断するのは難しいです。
そこで、ここからは不当な金額を請求されないためのポイントについてご紹介します。ぜひ外壁塗装を依頼する前には以下の3つを実践してください。
相見積もりをとる
外壁塗装を検討される際には必ず複数社見積もりを取りましょう。一社のみだと、その金額が妥当であるかどうかがわかりません。相見積もりを取ることで費用の相場感がわかってきて、ぼったくろうとしているような悪徳業者がいた場合にそれを見抜くことができます。
見積もりを取る業者は多ければ多いほどいいのですが、そのたびに打ち合わせや調査に対応していたのでは大変です。3社くらいで比較するのがおすすめです。
費用相場と比較してみる
見積もりを取ったら、他社の見積額、あるいは先ほどご紹介した坪数や塗料別の費用目安と比較してみましょう。見積額が他社のそれや費用目安と比較して明らかに高い場合はぼったくりの可能性があります。
また、逆に極端に他社の見積額や目安と低い場合も要注意です。技術力が低くて価格勝負をしているか、見せかけの金額だけ安くして高額で追加料金を請求しようと企んでいる場合もあります。
追加料金等がないか業者に確認してみる
基本的に外壁塗装では追加料金というものは発生しません。一般的に外壁塗装の費用を見積もる際には塗装面積×塗装単価で金額を算出しているので、後から変えようがないのです。ただ、外壁の劣化が激しく急遽補修が必要になる場合もあります。ただし、通常は劣化度合いも見て見積もりがなされます。
悪徳業者は特に補修が必要でないのにも関わらず「補修が必要になった」と言って追加料金を請求してくるケースもあります。
外装塗装の業者を選ぶ際に気を付けること
以上のように相見積もりを取って料金を比較しながら施工業者を選ぶことで、適正価格での外壁塗装が実現できる可能性が高まります。しかし、本当に満足できる施工を実現するためにはさらに以下のような点も考慮して業者を選ぶ必要があります。ここからは業者選びの際に意識しておきたいポイントを2点ご紹介します。
費用は安ければよいというわけではない
外壁塗装を検討する際にどうしても気になるのは値段です。工事費は安く抑えられるに越したことはありませんが、だからといって値段しか見ないのは考えものです。
そもそも外壁塗装の工事費用は「人件費」「材料費」「利益」という3つの要素によって決められます。費用が極端に安い場合、人件費を削減するために必要な工程が省かれている、材料費を抑えるために粗悪な材料が使われているなどの裏事情があるかもしれません。「安かろう悪かろう」にならないよう、値段以外の部分もしっかりと見て業者を選びましょう。
価格だけではなく業績を確認する
特に業者を選ぶ際には実績に着目してみましょう。施工をしっかりと行っている会社であれば、これまでどのような施工を行ってきたのか、ホームページや広告などに写真付きで実績を紹介しているはずです。これを確認することで、どのような建物に対応できるのか?どのような仕上がりが実現できるのか?どのような施工を得意としているのか?を知ることができます。また、実績にお客様の声が書かれていれば、その業者の対応などもわかるはずです。ホームページなどに掲載されていない場合は担当者にどのような実績があるのかを尋ねてみられることをおすすめします。
逆に施工実績を公開できない業者は技術力に自信がない、仕事が少なく掲載できる実績がない、お客様が満足できておらず掲載の許可が取れないなどの背景があるケースも考えられます。
見積書でチェックするべきこと5選!
その業者が適正な価格を提示しているか、しっかりとした施工をしてくれるか、誠実で信頼できるかは、見積書を見ればなんとなくわかってきます。とはいえ、外壁塗装の見積もりにはさまざまな項目が記載されており、特にはじめて依頼される方は「どこを見ていいのかわからない」という戸惑いもあるかもしれません。そこで、最低限以下のような項目に着目してみましょう。
使用する塗料とメーカーが書かれているか
まずは使用する塗料の名称とメーカーがしっかりと書かれているかどうかを確認しましょう。これらの情報が書かれていれば、ネットなどを使ってどのような特徴があるのか、適正な塗料を提案してくれているのかをご自身で調べることも可能です。塗料をごまかすために、あえて名称やメーカーを記載しない悪徳業者も存在します。
また、下塗りと中・上塗りでは使用する塗料が異なりますので、それぞれの工程においてどのような塗料が使われるのかについてもしっかりと確認しておきましょう。
工程ごとに詳しく記載があるか
外壁塗装には足場の組み立てや洗浄、下塗り、中・上塗りなど、さまざまな工程があります。見積書にはどのような工程があって、それぞれいくらかかるのかが記載されているかどうかをチェックしましょう。
また、誠実な業者であれば工程別はもちろん、その中でも「塗料費」「作業費」など、費用の内訳をしっかりと記載するものです。このように工程や内訳が明らかにされていれば、しっかりとした根拠をもって見積もりがなされていることがわかります。
一式という表記が多く使われていないか
特に見積書に「塗装費用一式」のような書かれ方がされている場合は要注意です。住宅は一軒一軒面積や形状、劣化度合いが異なるため、しっかりと調査を行ったうえで費用を算出する必要があります。また、作業を行う際にはさまざまな費用が必要です。「一式」と記載されている場合、根拠がなく適当に見積もられている可能性があります。
また、かかる費用を不透明にして不当な利益を得るのは悪質業者の典型的なやり口です。「一式」と書かれていてかつ他社よりも極端に高額な場合、本来不要である費用が上乗せされている可能性もあります。
こうしたごまかしを見抜くためにも、前項のように見積書に工程別に費用の内訳が記載されているかどうかをチェックすることが大切なのです。
足場がしっかりしているか
外壁塗装を行う際には、まず足場を組んで作業員が作業できる場所を確保しなければなりません。「足場代無料」としている業者もありますが、これには要注意です。
通常足場を組むだけでも20万円程度のコストがかかり、これを無料にすることは考えづらいです。足場を無料にしてお客様を釣って契約をし、他の部分で費用を上乗せする、あるいは高額な追加費用を請求するというのも悪質業者の典型的な手口です。
特に「足場代無料」という宣伝をし、見積もりを取ってみたら「一式」としか書かれていなかった場合、疑ってかかることをおすすめします。
保証がしっかりしているか
保証サービスがあれば万が一施工ミスや塗料が不良品であったときに無料で補修してくれるため、安心して依頼することができます。そのため、保証にもしっかりと着目して業者を選びましょう。
しかし、前述のとおり外壁塗装の耐久年数は使用している塗料によって大きく異なります。そのため、一概に何年持つのかを言い表すのは非常に難しく、本来であれば使用する塗料ごとに保証期間を決めるべきです。にも関わらず「保証●年」というように一律で保証期間を宣伝している業者は危険です。保証サービスで釣ってお客様と契約を締結して、実際に施工ミスや不良があったときに言い逃れをして保証してくれない悪質業者も存在します。
安心安全な適正価格で外壁塗装を任せるならちば住宅コープ
千葉県で外壁塗装をお考えなら、ちば住宅コープにご相談ください。私たちは千葉県知事の認可を受けて設立した千葉県唯一の住宅専門の生活協同組合です。非営利団体として千葉県民の良質な住まいと住環境を実現し、皆様を悪質業者から守るべく活動しています。
厳しい基準を満たしたプロデューサー組合員と呼ばれる施工業者が組合員として在籍し、施工を担当。事務局組合員が第三者的な視点で価格が適正であるか、適切な工事が行われているかをチェックしますので、安心・安全な外壁塗装が実現できます。
まとめ
残念ながらお客様を騙して不当な利益を得ようとする悪質な外壁塗装業者も一部存在するのは間違いない事実です。被害に遭わないためには、今回ご紹介したように複数業者から見積もりをしっかりと取って、内容を細かく確認することが重要となります。
とはいえ、一般の方が提示された見積もり金額や施工プランが妥当なものであるかどうか、あるいは適正な施工が行われているかどうかを判断するのは難しいです。外壁塗装でどこに相談したらいいかわからない、安心して任せたいということであれば、ぜひ私たちにご相談ください。